バトルロワイヤル
「“流し”?なんだそりゃ…」大野は首をかしげた。
「…あぁ。やってたよ空手ぐらい。ちなみに黒帯だ…。」更家は息切れしながら答えた。
「さすがだな…。そりゃあ“受け流し”くらい簡単だな。…私はちなみに空手三段だ…。」山田大佐は指の骨をパキパキならしている。
「…さ、三段!!?」
「これは受け流せるかぁ!?」
(バババババ…)
「なんだ、さっきの突きと変わらねぇじゃねぇか。更家さん、受け流しちまえ!!」薬師寺は遠くから叫んだ。
「うおぉおぉぉ…」
(くっ…い、痛い…さっきまでとは違う…これは一体!?……!?!)
「ぐおおぁあぁあ!!!」更家は突然叫び声を上げた。
「ど、どぉした…!?」
「ゆ…指がァア!!!」更家はその場で倒れこんだ。
「見ろ!!更家さんの指がない!!」
『……えっ!?』
確かに更家の指は何本か根元から切り裂かれたかのようになくなっていた。
「…はぁ…はぁ…グッ…」
(これは…“手刀”!!まさかそんな技まで…)
「更家ぇ!!」五十嵐は声を上げた。
「君はよそ見する余裕ないでしょ!!」
(ボカァ…)
五十嵐は山田大佐の弾丸のような早さのパンチをモロにくらって倒れた。
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