バトルロワイヤル
「…君相手に手刀はいらないな…」
「…ぐっ…」オレはなんとか立ち上がった。
(…スッ…)
山田は構えた。
(シュドドドド…)
「ぐおっ…あっ………」
早すぎる連続のパンチにオレは避けきれず叫ぶ声すら出なくなった。
(ドサッ…)
オレはそのまま倒れた。
「……………」
「りょ…亮ちゃーん!!」

(…ダメだ…全く動かん…、動いたところで殺されるだけだ…。いっそこのまま…)
オレの目の前が真っ暗になった。
音も光も何もない。
オレは何してんだ…?
一発も拳を入れれずに

“オレは死ぬのが恐い”

初日の夜に御堂に言った言葉が脳裏をよぎった。

恐い…恐い…恐い…

なんで児玉達は死ぬことに覚悟ができたんだ…?

「亮ちゃーーん!!」
「!!!!!!!!!」
オレの意識が完全に戻った。
(そうだ、オレは真弓を守るんだ!!)
(ムクッ…)
オレは立ち上がった。
「まだ立ち上がって…」
(山川(この子)さっきまでと目付きが違う…)
オレの中に眠る何かが目覚めた。
「あの時の山川だ…」宮武はつぶやいた。
「……行くぞ!!」
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