年上王子のお嫁さん☆
息を切らしているところを見ると、かなり探してくれたんだろう。
あたしは、差し出された手を掴んだ。
「……俺も見てたから…
説明はいらない。
華の気持ち、俺が一番わかってるから。」
「っ……ぅん…」
繋いでいた手を引っ張られて、敦の正面に立つ。
あたし、涙で顔ぐちゃぐちゃだろうから
恥ずかしい。
「……あたし…
どうすればいいの…?
啓飛を失ったら…あたし…」
また泣いてしまいそうになる。
すると…
フワッと、温かいものに包まれた。
嗅ぎ慣れない、香水の香り。
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