年上王子のお嫁さん☆


敦が、あたしを抱き締めていた。




「…俺じゃ、ダメか……?」


「え…」



いきなり真剣な声を出す敦に

戸惑う。



人気のない木の下で、二人の吐息と鼓動だけが響いている。




「そんなに泣くなら…アイツはやめて俺にしろ…

こんなときに言うのはズルいってわかってるけど……


まだ、好きだ。華のこと。
あのときから変わってない。」




そう言われ、抱き締められる腕の力が強くなる。


……なんで

そんな嬉しいこと言ってくれるの?




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