年上王子のお嫁さん☆
目の前にある、サラサラな髪を撫でてみる。
焦げ茶くらいの太い髪は、あたしの指を通り抜けていく。
「…ふふ。」
ニヤニヤしちゃうのはスルー。
カッコいいから仕方ない。
つい、頬を撫でて
そこに静かに唇を当てる。
たまには、あたしから…ね?
起きてないから出来るんだけど。
唇を離すと同時くらいに、背中にある腕の力が強まった気がした。
言葉じゃないのに、こんなに胸を締め付けるのは
何なんだろう。
きっと啓飛を好きでいる限り、わかることはないだろう。
だから、一生わかることはないね。
.