『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第156話
食べたいものを一生懸命に考えても食べれない日がある。
食べれなければ体重は減る。
そして、手術を乗り越える体力がなくなる。
そんなことは百も承知だが食べ物が喉を通らない日が続いた。
昭太郎の体重は長い夏を越えた時には40㎏近くになっていた。
脂肪分が入ったハイカロリーの点滴を動脈から入れる治療を3週間行うという指示のもと、入院生活を始めていた。
1年近くを過ごした昭太郎は外国の病院にもすっかり慣れていた。
病院の庭園でゆったりとした時を過ごす外人達ともよく話すようになっていた。
日本車の話、ドラゴンボールの話、イチローの話、中田英寿の話。
外人が知っている日本を説明するのが上手くなっていた。
痩せていても足が不自由でも細かいことは聞かれない。
正直、こんな日常にホッとしていた。
そして、些細な話しをする外人達。
そしてそいつらのテンションの高さと表情の豊かさに心が和んでいた。
昭太郎が点滴ポールを抱えて中庭の決まった場所でタバコを吸っていると、必ず仕事をさぼって遊びに来る奴がいた。
奴の名はサミー。
29歳既婚で子供が1人のガッチリとした体格の持ち主だった。
生まれは旧ユーゴスラビアで家族や兄弟は別々の国に住んでいるという。
6カ国語を話せるというサミーは何故かここで車イス係の仕事をしている。
サミーには毎日色々な話しを聞いた。
安いタバコの仕入れ方やオーストラリア人の性格。
そして、旧ユーゴスラビアの紛争。
仲良くなるにつれ、昭太郎が何故ここにいるのかなどの質問をされた。
もちろん昭太郎は素直に説明した。
するとサミーは突然「GANBARE!」と言った。
サミーが初めて日本語を話した・・・・。
一瞬耳を疑い「Japanese?」と訊く昭太郎に
「I have a japanese friend」と豪快に笑うサミーだった。
そして、お前は俺の友達だと言ってくれるユーゴの友が横にいた。
日本から飛行機で8時間もかかる外国で、外人の友達ができた。
そして、その友と一緒にタバコをふかす病院の中庭。
「ここの生活も悪くない・・・」と実感するようになっていた・・・。
★
食べたいものを一生懸命に考えても食べれない日がある。
食べれなければ体重は減る。
そして、手術を乗り越える体力がなくなる。
そんなことは百も承知だが食べ物が喉を通らない日が続いた。
昭太郎の体重は長い夏を越えた時には40㎏近くになっていた。
脂肪分が入ったハイカロリーの点滴を動脈から入れる治療を3週間行うという指示のもと、入院生活を始めていた。
1年近くを過ごした昭太郎は外国の病院にもすっかり慣れていた。
病院の庭園でゆったりとした時を過ごす外人達ともよく話すようになっていた。
日本車の話、ドラゴンボールの話、イチローの話、中田英寿の話。
外人が知っている日本を説明するのが上手くなっていた。
痩せていても足が不自由でも細かいことは聞かれない。
正直、こんな日常にホッとしていた。
そして、些細な話しをする外人達。
そしてそいつらのテンションの高さと表情の豊かさに心が和んでいた。
昭太郎が点滴ポールを抱えて中庭の決まった場所でタバコを吸っていると、必ず仕事をさぼって遊びに来る奴がいた。
奴の名はサミー。
29歳既婚で子供が1人のガッチリとした体格の持ち主だった。
生まれは旧ユーゴスラビアで家族や兄弟は別々の国に住んでいるという。
6カ国語を話せるというサミーは何故かここで車イス係の仕事をしている。
サミーには毎日色々な話しを聞いた。
安いタバコの仕入れ方やオーストラリア人の性格。
そして、旧ユーゴスラビアの紛争。
仲良くなるにつれ、昭太郎が何故ここにいるのかなどの質問をされた。
もちろん昭太郎は素直に説明した。
するとサミーは突然「GANBARE!」と言った。
サミーが初めて日本語を話した・・・・。
一瞬耳を疑い「Japanese?」と訊く昭太郎に
「I have a japanese friend」と豪快に笑うサミーだった。
そして、お前は俺の友達だと言ってくれるユーゴの友が横にいた。
日本から飛行機で8時間もかかる外国で、外人の友達ができた。
そして、その友と一緒にタバコをふかす病院の中庭。
「ここの生活も悪くない・・・」と実感するようになっていた・・・。
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