『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第157話

 日に日に体重も増え、調子の上がってきた昭太郎は街灯がつき始めた夕方、中庭のベンチに腰掛けている金髪ガールに声をかけ、会話を楽しんでいた。

「まじか!カエリーミノーグはオーストラリア人なの?俺が高校生の時聴いてたよ、ロコモーションとか アーシュッビーソーラッキー♪ラッキーラッキーラッキー♪アーシュッビーソーラッキーラブ♪とか聴いてたよ」と歌いながら盛り上がっていた。

 そして、更に調子を上げた昭太郎は「日本の歌を知ってるか?」という質問に「1つも知らない」と答えた生意気オージーガールにジャパニーズエンカ『氷雨』を教えてやった。

「リピートアフターミー!飲ませてーくださいーもーおー少し♪はい!」

「NOMASETE~KURASAI~OH~OH~SUSUSHI」

「違うよ!寿司じゃないよ・・・」

 金髪ガールと笑い合う昭太郎はふと我に返り(俺、楽しんでるな、今、俺楽しいじゃん。
いい感じだな俺・・・いい感じだよ・・・俺、ちゃんと楽しんでるよ・・・っていうか、ちゃんと楽しい・・・)と思い始めていた丁度その時。

 見覚えのある顔、そう昭太郎の担当ナースが真剣な顔で駆け寄ってきた。


「ショータローカモン!オペレーション!」

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