『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第84話

 ルームナンバー55に5組9人の日本人達が集合した。

岩手から来た青年、川島30歳。
そして憧れの肝臓移植手術を2ヶ月前に受けた上松29歳。
元教師の女性で日本に帰国後教師に復帰する予定。

愛知出身の諸島34歳。
移植待機を1年以上もしている女性。
付添人は父親で60歳を越えている。
旦那と子供は日本で生活しているということらしい。

2度目の移植待機で5年前に一度移植手術を受けたが再手術のため渡豪した50過ぎの坂井。
患者の奥さんは肝機能が低下して昨日から入院中。
移植待機期間4ヶ月。

 40過ぎの榎本夫婦は福岡出身。
患者は旦那で顔色は黄色でいかにも肝臓が悪そうである。
移植待機期間2ヶ月。

 江口親子は東京出身。
患者は子供で生まれつき肝臓が悪いらしく8歳なのだが甘えん坊で母親にべったりだ。
付添人の母親は小綺麗にしているマダム風。
移植待機期間3ヶ月。


 集合した日本人達は自己紹介を終えると、ここでの生活、買い物の場所、病院、移植手術などについて得意げに大林親子に説明し教え始めていた。

やはり元気に話すのは付添人達で、病人達は口数が少なく怠そうにしている。

誰かがその状況に気付いたからか、その新入生歓迎会のようなものは1時間ぐらいで解散となった。

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