『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第88話

 病室に案内された昭太郎は日本の病室とは異なる広々した部屋と大きなベットに異国を感じた。

それだけでなく、そこにいる患者は上半身が裸だったり、裸足で歩いている人がいたり、1つのベットに2人で眠る白人カップル!?・・・日本との間違い探しみたいな状況が目に入りまくってきた。


 ガラガラとワゴンカートを押しながら病室に入ってきた赤毛のおばちゃんが昭太郎を一瞥した。
「Do you wanna cup tea or coffee?」

 戸惑う昭太郎に倉本が耳打ちした。「コーヒーサービスよ」

「?」

「紅茶かコーヒー、どっちがいいの?答えてあげなさい」
 命令口調の言葉に急かされる昭太郎。

「コーヒープリーズ!ワンシュガープリーズ!ノーミルク!」そう大声で告げると
おばちゃんは満面の笑みでコーヒーとビスケットを昭太郎に手渡した。

 ワゴンが部屋から出て行くのを確認した後に
「なんか、やっぱり外国は違いますよねぇー!病院でコーヒーサービスですか・・・」

 とやられまくりの昭太郎だった・・・。


 次に現れたのは白いポロシャツに紺のズボンの金髪女性。

「ナースよ」そう告げる倉本に

「白衣とか来てないんですか?」

「ナースのユニフォームはポロシャツなのよ、ドクターなんて普段着よ」

「なんか実感湧かないっつーか、変な感じっすね」

「すぐ慣れるわよ」

 そのポロシャツの金髪は「Blood pressure」と昭太郎に迫ってきた。

目線を外さない青い瞳。

 よく聞き取れなかったが血圧計を持ってきたので、恐る恐る左腕を差し出した昭太郎。

ナースは何も言わず腕帯を巻き、血圧を測定し始めた。

「当たった・・・」

「Temperature」とナース。

「わかった!・・体温でしょ」とクイズのように当てようとする昭太郎・・・。

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