『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第89話
そのまた次に現れたのはつなぎを着た中東系の男性。
車イスを押しながら「SYOTARO!X-ray!」と大きな声で言っている。
ベットで横になる昭太郎は倉本に目を向けた。
「なんすか、これ」
「レントゲンの検査。ここには検査室まで運ぶ専用員がいるの、車イスにどうぞだって」
「1人で?」と不安そうに倉本に訊く昭太郎。
「そう1人で」キッパリと言う倉本は軽く微笑んでいた。
もう一度倉本を振り返るが、倉本は頷くだけだった。
車イスに乗せられ病室を出て行く昭太郎は身を任せるしかなかった・・・。
その日に主治医に会うことはなかった。
規定通り5時に切り上げた倉本。
誰もいなくなった病室で、テレビも英語でわからないし、外人に話しかけても5分で会話が終わる。
何をするでもなくボーっとしていた。
夕食には手を付けなかった。
「何で病院食がステーキなんだよ・・・外人おかしいよ・・・」
その夜、なぜか病院にあるお菓子の自動販売機でポテトチップスを買った昭太郎はビックサイズのコーラと共にだだっ広いロビーのソファーに腰を下ろした。
ポテトチップスを噛む音が響き渡るほど静かなロビーだった。
★
そのまた次に現れたのはつなぎを着た中東系の男性。
車イスを押しながら「SYOTARO!X-ray!」と大きな声で言っている。
ベットで横になる昭太郎は倉本に目を向けた。
「なんすか、これ」
「レントゲンの検査。ここには検査室まで運ぶ専用員がいるの、車イスにどうぞだって」
「1人で?」と不安そうに倉本に訊く昭太郎。
「そう1人で」キッパリと言う倉本は軽く微笑んでいた。
もう一度倉本を振り返るが、倉本は頷くだけだった。
車イスに乗せられ病室を出て行く昭太郎は身を任せるしかなかった・・・。
その日に主治医に会うことはなかった。
規定通り5時に切り上げた倉本。
誰もいなくなった病室で、テレビも英語でわからないし、外人に話しかけても5分で会話が終わる。
何をするでもなくボーっとしていた。
夕食には手を付けなかった。
「何で病院食がステーキなんだよ・・・外人おかしいよ・・・」
その夜、なぜか病院にあるお菓子の自動販売機でポテトチップスを買った昭太郎はビックサイズのコーラと共にだだっ広いロビーのソファーに腰を下ろした。
ポテトチップスを噛む音が響き渡るほど静かなロビーだった。
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