不思議な世界(短編集)
自己紹介はいらない。わかっている。お前も俺も俺がなにかもお前がなにかも知っている。

「お前は神ってところか?」

そうだな。自分で言うのは変だが、自分に言わせるのは良いもんだ。

「訳のわからないことを言うな? そうか、神なのか?」

この世界だけの神だ。

「この世界が俺の全てだ。それの神ならそれでいい。」

わかるかな?俺はお前で、お前も俺。だからお前も神なんだ。

「お前が俺?なんだそれは?訳がわからない。」

見ているやつもわからないだろうな。

「誰が見ている?」

誰かが。だ。 お前は俺を信じればいい。

「信じられる訳がない。」

そう言ってもらいたい。

「信じてほしくないのか?矛盾しているぞ。」

疑惑が面白いんじゃないか。それでいい。
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