不思議な世界(短編集)
「俺で楽しんでいるのか?」
楽しんでいる?今から楽しむんだよ。自分だけでね。
「どうやって楽しむ?俺は利用されたくはない。姿をみせろ。」
しかし、姿は見たくないだろう?いや、見ることをお前は拒む。
「どこからそんな自信が出てくるんだ?だけど、そのとおりだ。」
わかっている。それが意味をもつ。
「で、どうやって俺で楽しむ?」
お前は俺が全てわかる。信じてもらおう。
「信じられるのか?」
信じるだろう。そして全てを手に入れる。
「全て?俺の全てとはなんだ?」
理想を全てだ。願望が叶う。全てが手に入る。
「どうやって?」
俺についてくればいい。それだけでいい。
「俺がついていくとでも?」
あぁ。それしかない。わかっている。
「お前になんの得がある?」
お前が俺だからな。お前が得すればそれだけで得だ。
「何をするのか見せてくれ。」
では、妄想を膨らませ。夢を現実にしようか。
「つまらない。そう、全て妄想。これらは全て一人の幻想。一人の世界。」
また退屈だ。
やらないといけないことは沢山あるのに、なにもやる気になれない。
逆に、なんでもやりすぎて空回りしている。
何にもできない。
後悔ばかりして、口だけでものを言う。
時間が足りない。
でも、時間があってもまた何もできない。
そしてこの日々が続く。
毎日の繰り返しに変化は現れない。