好きだけじゃ足りない



小さくため息を吐いて、まだサンダルを履いたままだった事を思い出した。



「明日は少し早めに出るからゆっくり休んでね。」


お休みなさい、と軽やかに去っていく明さんを見送りようやくサンダルを脱いでフローリングの板に足の裏を着けた。
隣でも同じようにサンダルを脱いでフローリングに上がる伊織の姿。


明日の水族館で頭がいっぱいな私はこの時、大切な事を忘れていたんだ。




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