好きだけじゃ足りない
真実の扉はあまりにも重すぎるものだったのかもしれない。
「裏切ったのは誰だろうねー…」
「裏切り?それは違う。」
悲しく響く音色は強い音色に掻き消される。
「裏切りじゃねぇよ。もとより、
俺達に愛情なんてないんだ。」
それが全てを繋ぐ真実の扉だったのかもしれない。
ただ、みんな…空回りして、
前に進めば行き過ぎて、
後ろに戻れば戻りすぎて、
ただそれを繰り返して、糸が複雑に絡みすぎたんだ。
「好きなら奪え。それも愛だろ?」
「……あー…そうかもね。」
蟠(わだかま)りはきっと些細なきっかけで解けていく。
たった一歩、それを踏み出す勇気で全ては始まるのかもしれない。