好きだけじゃ足りない
太陽の光が降り注ぐ昼下がりの空の下で携帯電話を耳に当てる。
『どした?何かあったか?』
ワンコールも鳴らさない内に出てくれた伊織に口許を緩ませて、眩しい空を見上げた。
「何も…ただね、伝えたいことがあるの。」
言葉にするのは大切な事。
思った時に、思った事を伝えなければ次のチャンスなんてないのかもしれない。
そう思えたのは支えてくれたたくさんの人達のおかげだから。
『どうした?』
「――…あのね、」
一歩を踏み出せ。
そして、決意を持って向かって行こう。
それが、私と貴方の道になる。