初恋と流れ星
「じゃあ、いっぱい願い事も叶ってるんだね」

「願い事?」

「流れ星に願い事をしないの?」

「あ……、昔はしてたけど、今は忘れてるなぁ」

「そうなんだ。もったいない」

その言葉に倉吉くんがぷっと笑った。

「ちゃんと願い事をしてたら、今頃俺は億万長者かもね」

なんだか子供っぽいって思われた気がする。

そのとき見上げていた空に明るい線ができすっと消えた。

「今の流れ星!?」

思わず大きな声で叫んでしまう。

「そうだよ」

「一瞬だったけどきれい……」

初めて見た流れ星。

スーッと消えていく様子がはかなくて美しい。

倉吉くんはこれをもう何度も見てるんだ……。


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