初恋と流れ星
流れ星かぁ。
見てみたい!

早速、目の前に見えたコンビニに車を停め彼氏に電話をする。
少しだけの期待をして。

「もしもし?」

もしまだ仕事をしていたらでないかと思ったが、彼は電話にでた。

「仕事終わったの?」

「今、終わって帰るとこだけど」

「じゃあ、今から流れ星を見に行かない?」

「今から?」

いかにもだるそうなその一言で嫌がっているのがわかった。
彼の表情まで見える気がする。
けれど、一緒に行きたくて気付かないふりをする。

「流れ星に二人の幸せをお願いしようよ」

結婚前の二人に相応しい素敵なデートになる。
そう思ったのに。

「俺、疲れてるんだ。お前も明日も仕事だろ?」

あっけなく断られてしまった。

「そうだね。おやすみ」

そう告げて電話を切った。


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