コモレビ
涙の理由
「杏里…っ!」
「…ほぇッ!?」
あたしはビックリして変な声をあげた。
「どーしたの?」
そこにいたのは
幼馴染の和哉だった。
「なぁーんだ、和哉かぁ…。」
「なんだってなんだよ…。
もしかして、あの杏里のオージサマとでも思ったワケ…?」
「…ッ!?」
「ふーん、図星かよ…」
…え?
なんで、そんな顔するの?
「ちょ…、和哉…ッ」
「さわんな」
…え……?
なにソレ…。
今まで一度もそんな態度とらなかった。
和哉…?
「待ってよ…、かず…」
「あーんりっ♪」
この声は…
「だ、大地…っ!!!」
さ、サイアクよ…!!
このタイミングで現れるなんて…
「ち、ちが…、和哉…っ!」
「なにがちげーんだよ、もういいよ。」
本当に。
…本当に大地とは何にもないの…!!
「杏里?」
頭にハテナマークをうかべて聞く大地
どうして私は必死になってるの?
大地といい、藤崎くんといい、和哉といい…
こんな混ざり合った感情…
………わかんないよ…。