最強乙女ちゃん




***



夕食を終えて1時間。



私はお弟子さんの一人を
部屋に呼び出して愚痴ってる




それも1番、気の弱そうな人。



力はあるけど精神的に駄目な人は
私が少し強く言えばなんでも聞いてくれる



本当は駄目だけど、
どうしても話を聞いて欲しいときに
相談相手的な意味をこめて部屋に呼ぶ





「…だからっ!!!!
なんで、外出禁止なわけーーっ!!?」



「おおお嬢様っ!
そんなに叫ばれたら師匠様に聞かれます!」


師匠様とはジジィのこと。



「いいっ!!知らない!あんなクソジジィ!」



「ひぃぃぃぃいい!!」




あ、たぶん私今
般若のような顔してると思う笑



「もーやだ!!!
風呂はいって寝るっ」



「わ、わかりました!
すぐにご用意いたします!!」




お弟子さんは半分泣きながら
部屋を出て行った



私は、溜まっていたイライラを
お弟子さんに吐き出し少しすっきりした




…後で謝りに行かなくちゃ



苦笑いでそんなことを思う


お弟子さんには理不尽なことを
いっぱい言ったから
最後にはいつもちゃんと謝る


お弟子さんはみんな優しいから
『師匠様に怒られるのと比べたら
お嬢様のは軽いものですよ』と
笑って許してくれるんだ




その笑顔を見る度に
私の心はなんだか温かくなる気がした




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