最強乙女ちゃん
***
練習が始まって
2時間くらい経ったころ
何気なく体育館の半分を
使っている剣道部に目をやった
(柔道部と剣道部は
体育館を半分ずつ使っている)
パシーン、パシーンと
竹刀の音が響く
その中に一人だけ
圧倒的に周りと違う空気を
かもし出している人がいた
「誰、あれ」
「ん?ああ、澤田 賢悟
剣道部のエースだよ」
特別誰かに聞くつもりではなかったが
近くにいた江田 遼平が答えてくれた
「澤田賢悟?」
「…お前と同じクラスだぞ」
「ええ?あんな人、いたっけ?」
「いたぞ、明日確かめてみろよ」
呆れたように遼平は言うと
どこかへ行ってしまった