☆私とアイツ☆
そんなとき尊が
顔を出した。
「兄貴、久しぶりー。」
尊はゆるい挨拶をした。
「彩芽(アヤメ)さんも
久しぶりー。
また美人になったんじゃない?
兄貴はいいよなー。
こんな美人が奥さんでー。」
彩芽はお姉ちゃんの名前。
って!!
なんだか尊がチラチラ
こっちを見てくる。
へぇー。
姉妹でも似てないですねって
言いたいんでしょっ。
どうせ
私はブスですからっ!!
でも尊に腹が立つ以上に
胸が痛い。
やっぱり尊は
私を恋愛対象として、
見てはいない。
視界が涙でぼやけて来たけど
必死で堪えた。
「それにしても、
お前等、仲いいよなー。」
アハハと笑う蒼くん。
「さくらは俺の
妹みたいなもんだし??」
そう笑いながら返す尊。
その言葉で
私の努力は粉々になった。
「私、アイス食べたく
なったから
買ってくるー…」
そう言って
リビングを後にして、
部屋に戻る。