左肩の重み~美香story~
いつの日からか私は、真人の左肩に頭を乗せて眠っていることが多くなった。


起きると、いつも真人が髪をなでていてくれる。


優しい目、温かい手、その両方が私のこの行為を受け入れてくれてる証拠。


言葉なんていらない。


ただ、心がつながっていれば、それだけで十分だった。


私が入社して3年目に入ったとき、真人が部署異動で他の部署に移った。


その部署は会社の重要部分を扱ってる所で、事実上出世。


今まですぐ近くにいた分少し寂しい気持ちもしたけど、心が離れたわけじゃない。


私も真人も、今までのように仕事をこなし、日曜日には毎回会っていた。


そんなある日、私は体に不調を感じた。


春先の気温の変化、新年度に入って仕事が増えたこと。


その両方が重なり、いつの間にか風邪をひいていたみたいだった。


最初は、ちょっとした吐き気と体のダルさ。


でも大丈夫だって思った。


仕事を定時で終わらせて、早めに眠ってしまえば、気持ち悪さもダルさも取れるだろうって。
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