ヒミツの恋人~意地悪な王子様と天然お姫様~
制服が乱れて息遣いが荒い。
もしかして………走ってきてくれたの?
「俺はバカじゃねぇーよ」
私の両頬を引っ張る。
「いひゃい……(痛い)」
「…ったく。なに拗ねてんだよ?」
コウは私の隣りにしゃがみ立っている私を見上げる。
「拗ねて…ないもん」
私もしゃがんで顔を伏せる。
拗ねてない。
ただ………コウに“好き”って言ってほしいの。
私を彼女にした理由が
“おもしれー奴”で済したくないの……。