DislikeMan~男なんて嫌い~
「ちょっと恋歌、聞いてる?」
さっきまでの沈んだ声はどこへやら、いつもの早苗に戻って私に呼びかける。
「いや……聞いてるけどさ…」
まったく頭の中の整理がつかないぞ。
どうして薪坂さんは私に会いたいって言ってんの?
ってかどうして早苗がそのことを知ってるわけ?
なぞがなぞを呼ぶこの事件。
…ってほどの事件じゃないんだけどさ。
よくわかんないよ、とりあえず。
「ま、なんでもいけどさ、とにかく薪坂さんのいる病院来てよ」
一も二もなく、早苗はケータイを切ってしまった。
「ったく……大事なこと伝えられなかったじゃん」
せっかく如月さんとのデート(?)セッティングしたのに。
ぶつぶつ言いながら出かける支度をして部屋を出る。
薪坂さんの入院してる病院へバスで向かう。
病院についたとき、チラっと見た時計の針は11時半を指していた。