DislikeMan~男なんて嫌い~
それから少し薪坂さんと話をして、私と早苗は病室を出た。
そして、私は大事なことを思い出して立ち止まった。
「あっ」
「ん?どうしたの、恋歌」
不思議そうな顔をして、早苗も立ち止まる。
「如月さんのこと…」
「あ、なんか決まった!?」
こっちが言い切る前に、早苗は勢いよく口を挟み、目を輝かせた。
……どんだけ如月さんのこと好きなの、早苗。
心の中でいつもの突っ込みを入れながら、さっきの如月さんとの話の旨を伝えた。
早苗は、予期していた通り、目も顔も輝かせてここが病院と言うことも忘れたのか、ピョンピョン飛び跳ねて、近くを通りかかった看護士さんに怒られていた。
「――でも、よかったね、恋歌」
「え、何が」
病院を出て歩きながら、早苗が不意に言った。
「ほら、如月さんと会えることになってさ」
……。
実際、私と如月さんが会うことを喜んでるんじゃなくて、自分が如月さんに会えることを喜んでるんでしょうが。
ハハ、と笑い流して、さっさと歩いて行った。
後ろで早苗が何か叫んでたけど、そんなことお構いなし。
「あいつ、私よりわかりやすいぞ」
小さく呟いて、私はニヤっと笑った。