DislikeMan~男なんて嫌い~
約束の時間の5分前。
「あ、居た。ごめんね、待った?」
思わずドキっとするような笑顔で、卿渓さんが私の前に座る。
「あ……いえ、大丈夫です」
思わず顔を俯かせてしまう。
「あれ?どうかした?」
私の顔を覗き込むようにして卿渓さんが聞くけど、目をみることもできなくてただ首を振る。
「……すいません」
顔を上げて、でも目を見ることはなくて。
そんな私を見て、卿渓さんはふっと笑った。
「俺、そんな話難い?」
「え…?」
「いや、なんかさ…」
ちょっと唖然。
自分でも驚くくらい卿渓さんにドキっとしたせいで、顔を俯かせてるだけだったのに、そんな風に見えてたなんて…。
「あ、いや、そうじゃなくて…」
そこまで言って言葉を切った。
あまりにも恥ずかしすぎない!?
"あなたの笑顔にドキっとしちゃって"
なんて、絶対言えないし。