DislikeMan~男なんて嫌い~
窓に映る自分の顔を眺めながら、そんなことを考えていた。
「恋歌ちゃん、どうしたの?」
卿渓さんが心配そうな顔で、私を覗き込んだ。
「あ……。いいえ、なんでもないです」
若干無理やりの笑顔を見せて、前を向く。
でも卿系さんは、まだ心配そうな顔で私を見つめていた。
「そう…」
小さく呟くように言ってから、卿渓さんも前を向く。
バスのアナウンスが、私たちの降りる場所に停まることを伝える。
慌ててお財布からお金を取り出して、停止ボタンを押す。
バスが停まり、お金を払って、バスを降りる。
気が付けばもう、辺りは真っ暗で、星さえ浮かんできてる。
「恋歌ちゃん家まで、送るよ」
なんだか少し唐突に、卿渓さんが口を開いた。
「あ、いいんですか?」
「うん。時間も遅いしね」
行こう、と私を促して歩き出す。