DislikeMan~男なんて嫌い~
ちょっと黙ったまま、私の家に向かって歩き続ける。
卿渓さんは何か考え込んでいるような表情をしている。
そのまま黙り続けて、とうとう私の家についてしまった。
「あの、ここなんで」
「……あ、そうなんだ」
なんだか、卿渓さんの様子がおかしい。
反応もちょっと遅れてだし、全然私の目を見てくれない。
「あの……どうかしました?」
「いや……」
口の中で呟くように言葉を発しながら、しどろもどろになっている。
私はそんな彼を不思議そうな眼差しで見つめる。
しばらく見つめていると、卿渓さんは何に納得したのか大きく頷いて、私を見据えた。
「恋歌ちゃんっ」
「はっはい……」
今度は私が卿渓さんの迫力に押されてしどろもどろになる。