DislikeMan~男なんて嫌い~



「今日は、俺と会ってくれてありがとう」


勢いよく言葉を発したと思ったら、耳に届いたのはそんな言葉。


「え……いえ、こちらこそ、ありがとうございました」


なんとも他人行儀なやりとり。


「でね、俺思ったんだけどさ」


でね、の意味は全然わからないけど、何を思ったんだろう。


卿渓さんはそう言って、また何かを躊躇っているように俯いた。


でも、すぐ顔を上げて微笑んだ。


私の頭の上ははてながいっぱい。


なんて忙しい人なんだろうって。


そう思ってたら、卿渓さんが口を開く。


「恋歌ちゃんのこと、好きになっちゃった」


「え?」


別に、聞こえなかったわけじゃない。


でも、ついそう聞き返したくなるのが人間の心理。


まっすぐ私の目を見たままで、ゆっくり言葉を発する。


「合コンで会ったときから、かわいい子だなってずっと思ってて。


1回帰っちゃったときは、俺も帰ろうかと思うくらい、恋歌ちゃんがいないと楽しくなかった。


だから、戻ってきてくれたときは、心臓止まるかと思うくらい嬉しくて」


ちょっと顔を赤らめながら言う卿渓さんを見て、こっちまで恥ずかしくなる。




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