DislikeMan~男なんて嫌い~
「返事は、今度でいい。恋歌ちゃんが男嫌いなの、分かってるのに付き合ってとか言うつもりないから」
優しく、しっかり私の目を見て言ってくれた。
「それに、返事を聞くって口実で、また恋歌ちゃんに会えるしね」
ただでさえ上がってる口角を、さらに上げて、彼はウインクまでしてみせた。
思わず笑ってしまうような無邪気さ。
早苗の元彼だってわかってるし、2人の間に良くない思い出があることも分かってる。
早苗にだって、卿渓さんには注意してねって言われてる。
だけど、少しずつ気持ちが揺らいでるのはどうしようもなくて。
それが恋なのかどうかは、今の私には判断できないけど、少なくとも人として好きなのは確か。
バイバイと手を振りながら歩いていく卿渓さんを見送りながら、いつになく楽しい気持ちになっている私がいた。
ウキウキした気分で、部屋に入っていき、着替えながら今日1日のことを振り返ってみる。
思い返せば思い返すほど、今での私じゃ信じられないことばかり。