DislikeMan~男なんて嫌い~
バスに揺られながら、窓の外を眺める。
信号に引っかかって、バスが止まったとき、横断歩道で立ち止まってる人が目に入った。
「あれ……」
目が悪い所為で、ぼやけてしまってるけど、あれは……。
その人は信号が青になったのに気づいて、歩き出す。
その姿を目で追って、バスの前を通り過ぎる直前、顔がはっきりと見えた。
「やっぱり、城西さんだ……」
合コンの時に出会った男性のうちの1人。
そういえば、城西さんって一度小柳さんと別れた報告の電話をしてきたきり、連絡とってないな。
そんなことを思っていたら、またバスは動き出し、横断歩道を渡りきった城西さんの姿はどんどん小さくなっていく。
城西さんは、ここに何をしに来ていたのだろうとか、くだらないことばかり考えていたらバスは目的地に着いた。
ここから5分ほど歩いたところに、ホテル如月がある。
腕時計をチラッと見て、10時15分であることを知る。
なかなか丁度いい感じで来た。
さすが、と自分で自分を褒め、ホテルに向かって歩き出した。