DislikeMan~男なんて嫌い~



「お待たせ。……あれ?」


爽やかに挨拶をしたけれど、視線を私の服に移して如月さんは不思議そうな顔をする。


…あれ、はこっちのせりふっだっつーの。


「何…か?」


答えはもうなんとなく見えてるけど、恐る恐る聞いてみる。


「いや……。早苗ちゃんに聞いてない?」


若干戸惑った表情を浮かべて言う。


チラっと早苗のほうを見ると、自分の着ている服に見とれて、こっちの話なんか聞いてない。


「いいえ、何も」


「そう」


と言ったきり、如月さんは黙ってしまった。


え、何かまずいことしたかな、私。


私が焦った顔をすると、さっきまで浮かれていた早苗が私を見つめる。


「あれ、恋歌の格好。どうしたの」


どうしたのって……。


「それ、こっちのせりふ。早苗たちの格好こそ、何なの?」


これは、当然の疑問だと思う、うん。
< 151 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop