DislikeMan~男なんて嫌い~
「……あっ」
私の問いかけにしばらく唖然としてた早苗が、急に大声を張り上げた。
周りのお客さんが驚いてこっちを一斉に見る。
少しきまり悪そうに小さくなって、早苗は言葉を続ける。
「私、昨日連絡するの忘れてた…」
いたずらがばれた小学生の子供のような顔をしながら、おずおずと言った。
「何を?」
「恋歌に、今日の服のこと」
「……どういうこと?」
いまいちすっきりしない。
確かに、今日の服のことなんて何も知らされてない。
だから、こんな格好してるんだけど。
「実はね、如月さんに私が連絡したとき、ついでに服のこともお願いしてて。
こんなホテル来ること、まずないから、綺麗な格好して行きたいなって思ったから、如月さんに私と恋歌の分のドレス用意しておいてもらったんだ。
で、家に2人分送ってもらったんだけど、それ、私の家に置いてきちゃった……」
目を見開いて説明をする早苗に、状況を理解した私はもはや呆れ顔をするしかない。
「……私どうしたらいいわけ」
半分キレ気味で早苗を見据える。