DislikeMan~男なんて嫌い~
結局、シンプルな淡い紫のドレスを選ぶ。
ほかの部屋で、そのドレスに着替えて、メイクアップもしてもらう。
それ専用の人がいるっていうのがまず凄い。
「わぁっ……」
鏡の前で、自分の姿を見て目を見開く。
自分じゃないみたい。
これ、誰?
思わずそう言ってしまいそうになった。
「お綺麗ですよ」
そばで私のメイクをしてくれた女の人が微笑む。
「あ…ありがとう…ございます」
綺麗、なんて言われたことないから、照れて赤くなってしまう。
「さ、坊ちゃんのところへ参りましょう」
部屋のドアをあけて、手で外へと示す。
ちょっと気恥ずかしさを覚えながら、おどおどと部屋の外へ出る。
如月さんが私に気づいて立ち上がると、それに釣られるようにして早苗も立ち上がる。
「どう……ですか?」