DislikeMan~男なんて嫌い~
「おめでとうございます」
とりあえず、そう言ってはみたけど、こういう財閥のお坊ちゃんって、誕生パーティがあるんだろう。
何のパーティなのかはわかったけど、そんな大事な日に私たちなんかと会ってていいんだろうか。
「本当はさ、俺の生誕パーティだからいろんな人に挨拶とかしなきゃいけないんだけど、面倒くさいから今日2人とデートだからって途中で抜け出そうと思って」
私の心を読んだかのようなタイミングで説明し、悪戯っ子のような笑みを見せる。
「でも、決して2人を利用したわけじゃないよ?
俺の誕生日っていう大事な日に、こんな素敵なレディとデートできるんだもん。パーティなんて出てる場合じゃないよ」
早苗でも照れてしまうようなせりふを口にして、ニコッと微笑んだ如月さんに、私も早苗も胸の鼓動が高鳴ったのは言うまでもない。
そんなやりとりをしていると、急に喧騒が聞こえる。
その方向に向かって歩いていくと、大きな会場の前に出る。
「ここで、俺の生誕パーティをするの。俺は、ちょっと挨拶しなきゃいけないから適当に食べてて。
じゃ、1時間後にここで」
そういい残して如月さんは歩いて行った。