DislikeMan~男なんて嫌い~



残された私と早苗は、顔を見合わせて、とりあえず中に入ろうかとお互い頷きあった。


中に入ると、喧騒はより大きくなって、思わず顔をしかめるくらい。


立食式で、みんな思い思いに食べたり飲んだり話したりしている。


私たちも、ボーイさんにお皿とお箸をもらって、食べ物をとる。


どれも、本当においしそうで、普通にホテルで食べたら私たちの貯金まで吹っ飛びそうなものばかり。


「さすがだね」


早苗の言葉に、大きく頷いた。


こんなホテルを持ってる人と普通に合コンで出会うなんて、私の人生どうなってるの?


そう言いたくもなるような喧騒と、豪華なパーティ。


すると、急に喧騒が小さくなっていく。


みんなが、前方に視線を集めてるので、私たちもそれに従って前方を向く。


すると、そこにはさっきまで爽やかな笑顔を浮かべていた如月さんが立っていて、マイクに向かって言葉を発するところだった。


「みなさん、この度は僕のためにお集まりいただきまして、ありがとうございます」


如月さんが頭を下げると、みんなが一斉に拍手した。


慌ててお皿を近くのテーブルに置いて、私たちも拍手をする。


そこで、改めて周りを見回すと、誰も彼も高そうなドレスやツイードスーツを着てる。


私たちくらいの年齢の人は、ほとんど確認できなくて、みんな40代後半から80代くらいの人たちばかり。


きっと、すごい会社の社長さんとか、会長さんとか、お金持ちなんだろう。


やっぱり、私たちには手の届かない生活をしてるんだな。


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