DislikeMan~男なんて嫌い~
その言葉に、おじさんは少し悔しそうな顔をしたけど、私の腕を放してどこかへ消えて行った。
おじさんが逃げて行ったあとも、私は呆然と立ち尽くした。
「大丈夫?」
如月さんが優しく声をかけてくれるけど、答えるだけの気力がない。
「とりあえず、こっちおいで」
さっきのおじさんとはまったく違う手つきで私の腕をそっと掴んで、出口へと向かう。
外に出て、喧騒から逃れると、急に体が震えてきた。
そのままその場に崩れ落ちる。
不思議と涙が溢れてきて、呼吸が荒くなる。
そんな私を周りの人が怪訝な顔で見て通り過ぎていく。
人の目から守るように如月さんは私を包み込むように抱きしめた。
いつもの私ならこんなところで号泣するほど、理性を失くしたりしないのに。
如月さんに抱きしめられた瞬間、声を上げながら泣いてしまった。