DislikeMan~男なんて嫌い~



それから、如月さんに連れられて1つ部屋を取ってもらって、そこで休んでいた。


「ハァ…ハァ…」


泣きすぎて、うまく息ができないけど、それでも、だいぶ落ち着いてきた。


「落ち着いた?」


如月さんの問いに小さく頷く。


「すいません……」


今になってみても、さっきのことを思い出すと恐怖が背中を伝う。


「ううん。でも、気をつけてね。


ああいう手合いって、こういう場所だとよくいるんだよね。恋歌ちゃんみたいなかわいい子引っ掛けたくてしょうがないんだよね」


如月さんが珍しく苦々しい口調で言った。


「はい」


もう素直に頷くしかない。


こんな思いはもう二度とごめんだ。


「……そういえば、早苗ちゃんは?」


「あれ。本当だ」


如月さんは目を見開いて、それから笑い出した。


「ひどいなぁ、恋歌ちゃんったら」


私も釣られて一緒に笑う。


さっきはぐれてから会えてないけど、早苗どこにいるかな?


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