DislikeMan~男なんて嫌い~
「じゃ、俺ちょっと見てくるよ」
如月さんが早苗を探しに部屋を出た。
「すいません」
もう見えなくなった背中に声をかけて、シンとなった部屋を見回す。
こうして見てみると、とんでもなく高そうな部屋。
私の部屋がまるまる入ってもまだ余裕のありそうな広さ。
ソファやベッドは私が買ったら貯金まですべてなくなりそうなもの。
クッションやシーツでさえも一見して高価だとわかるし、備え付けてある電話でさえも眩しく光っている。
……ちょっと大袈裟?
ううん、そんなことない。
本当に光っているような感じだもの。
チラッと覗いたお風呂だって、家よりも格段に広い浴槽と、よく磨かれた床が眩しかったもの。
どうしたら、自分のお金でこんな部屋に泊まれるかな。
きっと、一生無理だな、こりゃ。
そう考えると、今こうしてこの部屋にいることがもう奇跡で。
如月さんと知り合ったときから、この奇跡は始まってたんだな。