DislikeMan~男なんて嫌い~
「どうしたの?」
早苗が立ち止まった私を不思議そうな顔で眺めてる。
「あ……あ…れ…」
私ががたがた震える手を上げて指をさす方向を早苗が恐る恐る見る。
「……」
もう、声を発することすらできない。
「ちょっと……恋歌ちゃん、大丈夫?」
がたがた震えて動かない私を心配そうに覗き込む。
「早苗ちゃんも……早く出ようか」
私と早苗の手を引いて、如月さんは走り出した。
転びそうになりながら、私も早苗も付いていく。
ハァハァ息を切らしながら、お化け屋敷の出口の扉を開ける。
転がるようにして出て、近くのベンチに座ると、3人とも肩で息をする。
「ハァ……なんか…ハァ…ごめん…」
「いえ……ハァ…大丈夫…ですけど……」
早苗はちゃんと答えてるけど、私には答える気力もない。
「恋歌ちゃん?大丈夫?」
私の顔を覗き込みながらそう聞いてくれたけど、ただ首を縦に振ることしかできない。