DislikeMan~男なんて嫌い~
「恋歌ちゃんはさ……今日楽しかった?」
「え?そりゃ、もちろん。あんなに大声出したの、久しぶりですもん」
私がそう言って笑うと、如月さんもホッとしたような笑顔を見せた。
「家、ここですから」
マンションの前で立ち止まって如月さんと向かい合う。
ふとここで卿渓さんに告白されたことを思い出して、ちょっとドキっとする。
「ねぇ…」
「は、はいっ」
如月さんの声のトーンがさっきまでとちょっと違っていて思わず声が裏返る。
「また、会えるかな?」
そう言った如月さんは、まるで小さな子供のような、捨てられた子犬のような、そんな目をしてた。
思わず胸が高鳴ったのが分かったけど、早苗の顔を思い出して自分を抑える。
「……もちろん」
そう返事したのは、今度こそ、如月さんと早苗をいい雰囲気にするため。
もちろん、私が如月さんに会いたいわけじゃないよ。
……きっとね。