DislikeMan~男なんて嫌い~
「そっか。ありがと」
平静を装ってその子に礼を言うと、自分の席にかばんを置いて座る。
ケータイを取り出して着信チェックをして見るけど、早苗からは来てない。
ケータイを手にしたまま教室を出て、ホールに向かう。
大学の中は基本的にケータイOKだけどみんな電話かけたりするときはホールに集まる。
早苗の番号を探して、コールボタンを押す。
しばらく呼び出し音が続いて、プツっと音がした。
「もしもっ___」
「ただいま電話に出ることができません。ピーっと鳴___」
電話を切って、壁に寄りかかる。
「早苗……」
心配になって来たけど、家にいるかどうかも分からないし、ただ私と顔を合わせるのがいやなだけかもしれない。
そう考えると少しは納得が行くけど、でも、早苗らしくない。
何があっても学校を休むような人じゃないのに。
また後で電話しよう、と決めて教室へと戻った。