DislikeMan~男なんて嫌い~
"え"と言ってから早苗はまったく口を開かない。
「だからね。城西さんの新しくできた好きな人って、早苗なんだって」
もう一度、はっきりと言葉を発して、早苗に伝える。
「え、えっちょ…。意味わかんなっ……」
完全にテンパってる。
だから、ゆっくりはっきり、言葉を伝える。
「合コンでね、初めて早苗にあったとき。
運命の人だって思ったんだって」
男の人に運命を感じさせることができる早苗って、なんか羨ましい。
「え……」
もうテンパってる声じゃなくなったけど、電話口からでも顔が赤くなってるのが伝わってくる。
「でね。城西さんが、早苗とデートしたいって」
手帳に書いた文字を手でなぞりながら、もう一度確認をする。
「明日の午後3時。立金花に来てって」
「……わかった」
「…ちゃんと行くんだよ?」
ちょっと躊躇いが感じ取れる言い方だっただけに、念を押す。
立金花(リュウキンカ)の花言葉は、必ず来る幸福。
その花言葉の通り、早苗にも、幸福が訪れようとしてる。