DislikeMan~男なんて嫌い~
"人を好きになるんじゃなくて、好きになってるのが恋。
しようと思ってできるもんじゃなくて、気づいたらしてるのが恋"
ふと、城西さんの言葉が頭を掠める。
「そうだ……」
気づいたらしてる、好きになってるのが恋。
焦って答えを出す必要はないんだった。
「大丈夫、きっともうすぐ、私にも春が来るよ」
「え?」
唐突に切り上げ口調で言った私を、早苗はキョトンとして見ている。
なんでかわからないけど、私はもうすぐ誰かに気持ちが固まるんだろうなって思ってる。
3人とデートして、いろんなこと話して、薪坂さんと卿渓さんには好きって言われて、早苗曰く如月さんも私が好きだって言われた。
そうやって、いろんな男の人と触れていくうちに、私の中で気持ちが揺らいでいるから。
「あ、そういえば。薪坂さん、退院するって」
「え、本当?」
あれから薪坂さんのお見舞いにも行けてなかったな。
明日退院だということが分かったから、お迎えじゃないけど行こうかな。