DislikeMan~男なんて嫌い~
今日は早苗と城西さんのデートの日。
そのせいか、早苗の顔はいつもより明るく、生き生きとしている。
「楽しそうだね」
「え?そんなことないよ」
そう言ってる顔も嬉しそうで、楽しそう。
もとはと言えば私のせいだけど、早苗が新しい恋に出会えて良かった。
「じゃね~」
と別れて、それぞれの席に座る。
「おはよ、恋歌ちゃん」
「……おは…よ…」
途切れ途切れの返事になってしまったのは、いつもは挨拶もおろか、普通の会話すらしたことのない隣人さんが声をかけてきたから。
「なに、そんなキョトンとして」
人をからかうような口調でその彼は笑った。
「いや。別に」
視線をそらして、彼に背を向けて座る。
……どうして急に、挨拶なんかするんだろう。
ある意味不気味。
「あ。そうだ、恋歌ちゃん」
背を向けた彼から、また呼びかけられた。
全然悪意は感じられないけど、背筋に寒気が走るのが分かった。