DislikeMan~男なんて嫌い~



「なに…?」


ちょっとだけ彼に顔を向けて、聞き返す。


「俺の名前、知ってる?」


「え?」


ついそう返したのは、あまりにも簡単な質問だったから。


「秦野勇真、でしょ?」


「お、知っててくれた」


なんて笑った彼、秦野勇真(ハタノユウマ)。


大学生活3年目で同じクラスになったため、初めて名前を知った。


男嫌いとして結構有名だった私が、他のクラスの男子生徒の名前を知ってるなんてことあるわけがなかったから。


「恋歌ちゃんってさ。男嫌いじゃなかったの?」


「は?」


同じクラスになってなお、まともに話したこともなかった人に、いきなりそんなこと言われるなんて。


「それなのにさ、なんで最近そんなに男とデートしてんの?」


「……えっ…」


思わず彼の顔を凝視する。


なんで……。


なんで、秦野くんがそんなこと知ってるわけ。


早苗以外クラスの女子だって知らないのに。



< 242 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop