DislikeMan~男なんて嫌い~
そのあとも、城西さんは普通の世間話をしただけで、目的地は教えてくれなかった。
「着いた。……降りて」
ちゃんとドアを開けてくれたので、地面に足をつけた。
30分ほど走って行きついた場所は___
「わ…………超綺麗…」
いつの間にか高台に来てたみたいで、そこから見える夜景はまさに絶景。
無数の色とりどりの明かりが、まるで夢でも見ているかのような風景を作り出す。
思わず駆け出して、手すりから身を乗り出すようにして見惚れる。
「綺麗でしょ?ここ、俺のお気に入り。……優貴恵も連れてきたことない」
なんだか掴めない口調で城西さんは私の隣に立つ。
「……ねぇ、早苗ちゃん」
目を輝かせている私に、急に落ち着いたトーンで話しかけた。
「え?」
ちょっと強く吹いた風でなびいた髪を手で押さえつつ横の城西さんを見つめる。
「恋歌ちゃんから聞いてるかも知れないけど……俺、早苗ちゃんが好きだよ」
「え?…後半のほう、風の音でよく聞こえなかったんですけど……」
城西さんは聞き返したことに嫌な顔をせずにちょっと笑った。