DislikeMan~男なんて嫌い~



早苗は城西さんを見つけると、周りが見えなくなったかのように走り寄る。


「ちょ…」


慌てて私も後を追うように駆ける。


「お待たせしました」


早苗のその言葉と同時に、店員さんが案内してくれる。


合コンのときと同じかは定かじゃないけど、あの時のような個室に案内される。


「わー、懐かしい」


薪坂さんが中を見回して声を上げる。


「ホント。そんなに前の事じゃないのに懐かしい」


早苗もそれに便乗して頷く。


ただ、私と卿渓さんは目を合わせてクスっと笑う。


「あー!!なになになに!?二人だけ意味ありげに笑っちゃって」


薪坂さんがいち早く気づいて、私と卿渓さんを交互に眺める。


「俺と恋歌ちゃんとの秘密。ねぇ?」


「はい」


なんてまた笑って見せる私たちに薪坂さんはぷーっと頬を膨らませた。


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