DislikeMan~男なんて嫌い~
-----------------------side恋歌
『…………』
思いもしなかった話にその場にいた全員が固まった。
「でもね、久しぶりに会ったあの合コンの日。
心次が″早苗を好きだったことは本当だ″って言われて、なんだかちょっと救われた気がしたの。
あの幸せだった時間まで嘘偽りだったんじゃないかって疑ってた部分があったから」
寂しそうに、でも嬉しそうな表情ですべてを語り終えた。
少し気まずげな出で立ちで、卿渓さんはチラッと私を盗み見ていた。
「そっか……」
「でもね、恋歌。今の心次はすごく変わったと思うの。私が話したようなことする男じゃなくなったと思うよ」
みんなを気遣ってか、最後にそう付け足した。
「…うん、分かってるよ」
小さく微笑み返すと、早苗もちょっと笑みをこぼした。
「あー、なんか重たくなっちゃったね。ごめんごめん。
さ、もうこの話は終わり!!みんなも気にしないで食べて」
わざと明るい声を張り上げて、早苗は城西さんの元へ戻って行った。
なんだか恨みのこもった目で卿渓さんを睨んでいた城西さんの腕を取って、明るく笑いかけた早苗は、さすがと言わざるを得なかった。