DislikeMan~男なんて嫌い~
一気に語った彼は、ふーっと息を吐いてお皿に盛った生ハムをフォークで刺して口に運ぶ。
隣に置いてあるシャンパンのグラスを一気に傾けて飲み干した。
「はーっ。
なんか変なこと話しちゃってごめんね」
もともとほろ酔いだったのに、今のイッキで酔いが回ったような顔でヘニャっと笑った。
「あ……いえ…」
曖昧な返事しかできな自分を悔やんだ。
「あーっ!!今度は秀弥が俺の恋歌ちゃん盗ってるー!!」
こちらもだいぶおかしなテンションになった薪坂さんがドアを開けると同時に叫んだ。
ダダダッと走って来て、パッと私の腕を取ると、ギュッと自分の腕の中に収める。
「あ、え?…ちょ、薪坂さ…ん…?」
「お前ら、どこ行ってたんだよ?」
チラッと横目で私たちを見やった如月さんが、私と同じ疑問をぶつける。
「あ?俺は電話入ってたから行っただけ。こいつは勝手に着いてきたんだよ」
心底不機嫌と言った様子の卿渓さんがグラスにワインを注ぎながら答えてくれた。
っていうか……この人たち、ワインとかシャンパンとかお洒落なものばっかり飲むのね…。
なんて呑気なことを考えていると、上からそっと声が届いた。
「秀弥にたぶらかされてない?…俺の恋歌ちゃん」
まるで独り言のようなそれは、妙に私の心臓を跳ねさせた。